まなぶ事務所について、みなさんに知っていただくために、経営者仲間の川井崇禎さんに、まなぶ事務所についてインタビュー形式で色々聞いてもらいました。
以下はそのインタビュー内容です。(インタビューは2017年10月に実施)
学生時代はバンドマン
川井:今日はよろしくお願いします。浅井さんと僕が知り合ったのは2013年ですね。弊社が入っている麻布台のビルに浅井さんの事務所が入居されて。話をしたら浅井さんと僕とは同じ茨城県出身で、学年は1つ違いと近いってことで仲良くなりました。高校も近くて比較的交流のある学校だったんですよね。その頃は面識なかったですけど。
浅井(黒字):そうですね。面識はなかったですけど、「きっと銀杏坂にあったオレピー(※注1)とかですれ違っていますよね」って話して仲良くなりました。(※注1:オレンジ・ピープルという水戸駅近くにあった学生の溜まり場的お洒落ダイニングバー。現在は移転しています。)
川井(以後名前略&青字):オレピーって名前を共有するだけで仲良くなれましたね。懐かしい時代です。ということで、まずはまず少し昔の話から伺いたいんですけど、学生時代って浅井さんはどんな人だったんですか?
浅井:実は、高校時代は僕、バンドを結成してて、ギターをやってたんですよ。もともと東京に来たのもバンドやりたくて来たっていうのもあって。
えーーー!!!ギター???!!!知らなかった!!
浅井:でも、司法書士試験を目指すと決めた時にすべて捨てたんですけどね。
そうなんですか!!!いやぁ、僕は浅井さんと知り合って5年も経つのに知らなかったなぁ…もちろん、レコード好きだから音楽が好きなのは知っていましたけど、まさかバンドやっていたとか…。
浅井:はい、人にはあまり言っていないんですけど。
浅井さんって、結構そういうところありますよね。口が堅いというか。なぜ人に言わないんですか?
浅井:うーん、なんというか、黒歴史というか…
(盛り上がったのですが、本題と関係なさすぎたので中略)
浅井:学生時代はそれしかやっていなかったですね。それで、1浪して、大学に入りました。
バンドに明け暮れた大学時代
大学行ってからは勉強したんですか?
浅井:ひたすらバンド活動です。音楽で食べてこうと思っていました。4年生最後まで就職活動も一切しなくて。
でも最終的には就職したんですよね?いつから就職活動始めたんですか?
浅井:就職活動を始めたのは4年生の2月ですね。
え?4年生の2月?3年生の2月じゃなくて?意味わからないです。(笑)
浅井:もうバンドでプロになるつもりですから。
でも、最終的に就職しようと思ったわけですよね。きっかけはなんですか?
浅井:大学4年生の年明けたころから、「このままではまずいな」「とりあえずでも就職しなければ」みたいな気になってきて。
卒業間近になって、突然、就職するぞ!
それにしても、2月に所員募集している事務所があったんですね。どんな媒体でみつけたんですか?
浅井:巣鴨の駅前のコンビニでみつけたB-ing(※注3)です。立ち読みして電話番号メモって連絡しました。(※注3 当時主流だったリクルート社の求人雑誌。2008年に廃刊)
購入せずに立ち読みですか!学生っぽい(笑)。今だと、必要な点だけスマホで写真にとるという「デジタルハッキング」ですね。「アナログハッキング」だけど。
それにしても、どうして司法書士事務所だったんですか?
浅井:比較的自宅から近かったことと、「事務員」募集って書いてあったんですよ。「事務員」なら自分でもできそうだな、ってそれだけです。
そ、そんな「浅はか」な理由で決めますかね…
浅井:「とりあえずの就職」だと思っていたので。
で、合格したんですか?
浅井:はい。最終的には。
法学部が効いたんでしょうか。
浅井:いや、どうでしょう。司法書士が何をしているかも知らないで、受験に行きましたからね。面接をしてくれたその事務所の責任者の先生は、僕が「司法書士については何も知らないです」といったら驚いちゃって。
まぁ、驚きますよね。仕事がわからないのに受験なんて…。
「好きな人物は、坂本龍馬です!」で合格しました
面接はどんな感じだったんですか?
浅井:先生「浅井君は登記簿を見たことあるか?」僕「ないです」先生「司法書士の仕事はわかってるかな?」「いいえ、まったく」先生「…どうしてウチに入りたいんだ?」僕「事務員募集って書いてあったので…」ってな感じでした。
それは、面接官の先生も驚いたでしょうね…。どうして合格できたんでしょうか。
浅井:先生がもう諦めたんですかね、突然、「君は歴史上の人物で好きな人はいるか?」って質問を。
おっ、なんか昭和っぽい質問(笑)。
浅井:僕あんまり歴史とか知らないんで、なんて答えようか迷ったんですけど、当時「お〜い!竜馬」って漫画が流行っていたんですよ。それで少し詳しかった「坂本龍馬です」って答えたんです。
あまり知らないなら、それはそう言うしかないですね。(笑)
浅井:そうしたら、先生が「お、龍馬か!どうしてだ?」と。ヤバいと思ったんですけど、漫画の中にあった表現の「変脳の志士」という言葉を使って「あの時代において、あれだけ柔軟な考えをもって突き進むところ」みたいなことを答えたんですよ。
ははは。なるほど。
浅井:そうしたら、先生「そうか!。うーん。」と。そして「いつから働ける?」と
おーー!やった。
浅井:そこで僕は「今から働けます!」と。
「今から」って(笑)
浅井:そう(笑)。そうしたら 先生が「それは困る」と。「まだ面接する人が残っているから。後日連絡します」と。そして交通費とかで3,000円ほどいただいて。結局、「坂本龍馬」という答えで良い印象を与えられたのでしょうね。その日のうちに連絡が来て、合格になりました。後からわかるんですけど、先生は四国出身の方で、坂本龍馬が大好きだったみたいなんです。
仕事量の多い、厳しい職場で鍛えられる
でも、実際はその仕事が自分の本職になったわけですね。勤務してみて何か心境の変化があったんですか?
浅井:勤務してみたら、ものすごく労働量が必要な職場でした。残業代はしっかり出ましたので、その分給料は多くもらうことができました。ただ、朝から晩まで仕事だったのでとてもバンドなんてやれる状況ではなかったです。
なるほど、そういうことですか。
浅井:しばらくは書類の整理しかやらせてもらえなかったです。でも、月日を重ねるごとにだんだん自分のなかでも司法書士がするべき業務の流れがわかって来て。
それはどれくらい経ってからですか?
浅井:厳密には覚えていないですけど、1年も仕事をすると流れがわかってきて。5年もしたら自分の判断でほぼすべての業務ができるようになりました。
「習うより慣れよ」ですね。
浅井:そうしたら、最初はつまらなくかった仕事が、だんだん面白くなってきました。
いい循環ですね。
司法書士になるきっかけは…歪んでます
それにしても、事務職でよかったはずなのに、なぜ司法書士の資格をとったんですか?
浅井:それは…ちょっと歪んだ動機なんですよね。でもこの話、記事にしていいのかなぁ…
大丈夫です。内容がまずい時にはピー音がはいりますから!(笑)
浅井:「記事」ですよね(笑)。ま、まずい時には記載しないことにすればいいですかね。仕事をして10年ほど経った時のことです。その頃、試験に合格したばかりの「司法書士」が入所してきたんです。これまでも司法書士が入所することは何人かあったんですけど、この時に入ってきた司法書士は当時補助者として勤務していた私からすると、司法書士に向いていないのでは、と思う人でした。
と、いいますと?
浅井:司法書士の実務は書類の整理や作成など事務的な作業がとても多んです。だから、未経験であれば司法書士の有資格者であろうと最初はそういう事務処理からスタートします。その方も未経験なのでその事務処理から始めるべきなのですが「こんなことは私の仕事ではない。」という感じでした。おそらく、相談者の登記相談に答えたり、不動産取引の立ち合い現場に行くなどを自分の仕事としてイメージしていたのだと思います。それが、実際には書類の整理からスタート…で、ふてくされて仕事が覚えられない。
なるほど…。
浅井:で、そのことがなんだか頭にきたんです。すごく。「この人の方が結局この業界では偉いんだな」「ずっと偉そうな顔されるんだな」と思って。
それで…司法書士を目指したと…なんだか浅井さん…たしかに歪んでますね。(笑)
浅井:はい、歪んでますよね(笑)。「だったら俺も資格取ってやる」と思いました。もう普段の業務は何でもこなせるようになっていたので、それほど苦も無く受かるのではと思いました。
なるほど。それで一度仕事を辞められて、専念すると。
浅井:そうです。実は勉強しながら仕事は1年ぐらい続けたんです。というのは、退職の意向を所長に伝えたら、「バイト扱いにして17時に帰っていいから、仕事は続けないか?」と言ってくださって。ありがたくそのシフトでやることになったんですけど、でも結局僕にお客さんが付いているので、常に17時に帰れるわけもなく。所長の思いは嬉しかったのですが、両立はできなかったので。
仕事はやめる!司法書士試験に専念!
それで、そこから合格まで4年ほど?
浅井:そうです。会社を辞めて専念してから4年かかりました。
勉強していて「合格できる」っていう手応えってあったんですか?
浅井:すでに2年ほど勉強をしたあたりで、合格の手応えは感じていました。このまま受験すればいつかは受かるなと。順番待ちみたいなものだなと。ただ、実際は2回目も3回目も不合格でした。4回目の受験をした時も、自己採点で「今年も不合格だな」と思いました。合格発表の前だったんですけど、また就職をすることにしたんです。
え、合格していないのにまた仕事を?もう仕事をしながらも、合格はできると?
浅井:そうですね。お金が底をついたこともありますけど。もう不合格だと確信していたこともありまして。そうしたら、実はその年の司法書士試験に合格していました。でも、その前にもう「補助者」として、ある中央区の司法書士事務所に入所してしまったんです。
なるほど、結局は合格していた。有資格者になった。となると、手当が付きますよね。
浅井:ところが、そこは付かなくて(笑)。給料も変わりませんでした。
え、じゃぁ、辞めたらいいですよね。事務職の給与しかもらえないならば。早く独立ですよね。
浅井:でも、合格前の僕を採用してくれた恩があるので、2年間は勤務することにしました。結局きっちり2年間勤務し、独立しました。
そういうことなんですね。そういうところ、浅井さんって律儀ですよね。
結局、2010年に司法書士試験に合格、2012年に独立ということですね。
浅井:はい。そうです。最初は東京都世田谷区で開業しました。翌年の2013年に現在の名称である「まなぶ司法書士事務所」に改称し、港区麻布台を事務所に。この時川井さんとで出会ったわけですよね。現在は港区虎ノ門に事務所を置いています。
具体的な「まなぶ事務所」での業務について
さて、ようやく…本題の仕事についてうかがいます。
浅井:本題まですごく長くなっちゃいましたね。(笑)
まず、どんな業務をされてるんですか?差し支えなければ、仕事の多い順に教えてもらえますか?
浅井:はい。ざっとこんな感じですね。収入ベースですと。
- 不動産登記
- 成年後見
- 商業登記
- その他の裁判事務
- 民事信託
1.の不動産登記は、土地を買ったり売ったりして、所有者が変わる時なんかに、その土地の所有者を示す書類を作る仕事ですよね。
3.の商業登記は僕も会社設立したことあるので、わかりますけど、会社設立などにかかわる登記ですよね。
浅井:はい、そうですね。
それ以外はあまり馴染みがないですですね。私は。
浅井:そうですね。一般の方にはあまり馴染みがないと思います。いや、登記ですら不動産や会社を所有していないと経験ないでしょうしね。まして成年後見とか、民事信託とかってご存知ない方が多いと思います。
そうですね。知らないです。まなぶ事務所の特色というか、特徴ってそのあたりなんですか?
浅井:まなぶ事務所の特徴というか、あまり他の司法書士の方はやらない方もいるんですけど、わたしは成年後見と民事信託を積極的に行なっています。
成年後見(せいねんこうけん)は、主に認知症の方のために
成年後見ってどういうものなんですか?わかりやすく教えてください。
浅井:成年後見というのは、端的に言えば、認知症になってしまった高齢者や、統合失調症などで法律上の判断をすることが難しくなってしまった方に代わって、法律上の判断をしてあげる事です。
うーん、なるほど。具体的にはどんなことをするんですか?
浅井:「財産管理」と「身上監護(しんじょうかんご)」が主な2つの業務です。
「財産管理」はわかります。お財布を預かるイメージですよね。モノを買ったり、売ったり、維持したり。でも、「シンジョウカンゴ」ってなんですか?
浅井:身上監護というのは、直接その対象者(被後見人)を介護したりするわけではなくて、たとえば、介護施設に入るための手続きをしてあげたり、デイサービスの契約の手続きをしてあげたり。あるいは自宅で虐待を受けているのを見つけて、施設に入れてあげたり。
そんなこともあるんですか!
浅井:そうですね。認知症が進むと残念なことですが、家族から虐待の対象になったりすることもあります。また、施設内で不十分な対応を受けてたら転院させてあげるとか。つまり、「身上監護」とは、直接的な介護ではなくて、被後見人が適切に生活できるようにしっかり監督して、そのための必要なサービスを受けられるようにしてあげることです。
なるほど、それが身上監護なんですね。主に認知症の方が多いんですか?
浅井:そうですね。私が担当しているのは認知症の方のみです。
認知症の方っていうと、僕のイメージでは、浅井さんがその人の為に何かしてあげても、被害妄想で攻撃されたり、その方の為を思ってやってもわかってもらえなかったりとかがありそうです。そういうのって辛かったりしないんですか?
浅井:そうですね…そういうこともあるんですけど、逆にわかってもらえたり、笑顔になってもらえた時に嬉しかったりってことがあるので。
なるほど…。
浅井:「おう、君か!また来たね!」なんて言ってもらえると嬉しいんですよ。私の考えですけど、認知症の方って覚えていることもいっぱいあるんだと思うんですよ。僕がホームに行くと手を振ってくれたりするわけですから。記憶って、引き出しに入っていてそれが出せない状態なだけだと思うんです。つまり、覚えていないように見えるけど、ちゃんと覚えていてくれると思うんですよ。そして「ありがとう」って言ってくれることも沢山あるので嬉しいんです。登記のように不動産を機械的に処理をするよりも、人間性を感じられて。少なくとも、僕には合っているんですよね。
そうなんですね!浅井さん、優しいからな〜。
民事信託という制度は、財産の継承を決めること
成年後見については、少しわかりました。
それで、あと浅井さんが積極的にされているもう一つ、「民事信託」について教えてください。
浅井:はい。「民事信託(みんじしんたく)」。これはいわゆる「財産管理」と、「財産承継」をすること。今までの制度である「遺言」等でできないことをカバーする…っていう感じですね。
…ちょっとわからないです…
浅井:そうですよね…これは難しいんですよね。
なにかで例示してもらえませんか?
浅井:はい。民事信託という制度は「自分の大切な財産をどのように管理して、どのように承継していくのか」を、元気なうちに決めておく、ということです
これは、遺言ではできないこともあると?
浅井:はい。遺言や成年後見制度の利用だけではカバーしきれないことも沢山ありまして、これらを解決するために民事信託を活用します。
なるほど。
浅井:信託とは、財産を有する人が、ある人のためにあらかじめ目的を定め、信頼できる人に財産を託し、その財産を託された人があらかじめ定められた目的に従って、ある人のためにその財産の管理・運用・処分を行うことです。
財産を有する人を「委託者」、信頼できる人を「受託者」、上記の「ある人」を「受益者」と呼びます。
はい。
(と、このあと難しい話になったので、別ページを作ってまとめます。ページ作成をお待ちください)
浅井:というわけで、民事信託が今、注目されていて、私は民事信託士として民事信託の仕事を積極的に行なっているんです。
なるほど。民事信託。資産をお持ちの高齢者は特に重要なテーマですね。
40年前のアルバムが起こした、忘れられない奇跡!
ところで、仕事における印象的なエピソードをお聞きしてもいいですか?
浅井:やっぱりこのエピソードかな…。私が後見人になっているある認知症の女性(90歳前後)が、施設に入る為に、それまで入居していた賃貸物件の解約をしなければいけない時があったんです。
施設に入る為に、今住んでいたお家を引き払う必要がある、ということですね?
浅井:そうです。その際に、要るもの要らないものの判断は、後見人の僕がやるわけです。財産の管理と処分は後見人の仕事なので。もっとも、実際には90過ぎた女性が施設に入るわけですから、ほとんどの家にあるものを処分しなければならないわけです。
なんだか寂しいですけど、仕方がないですよね。そういう掃除というか、部屋にあるものの1つ1つのチェックをしないといけないんですね…。
浅井:そうなんです。その際に、家を掃除していたら、分厚い、古い本のようなものが何冊かでてきたんです。「何かなぁ?」と思って見てみたら、写真アルバムだったんですね。
なるほど、もう古いものですね?
浅井:そうです。もう3〜40年位前に撮られたものです。昭和50年代に亡くなったご主人が撮影されたもののようで。ご主人ととても仲よさそうな写真が沢山あるわけです。
なるほど。大切な写真だったんでしょうね。
浅井:そうです。それを見ていたら、「これは捨てられないな…」って思ったんです。
そうなんですか。気持ちはわかります。ご主人は写真好きな方だったんですね?
浅井:どうやらご主人の趣味がカメラだったようなんです。でも、あまり詳しいことはわかりません。被後見人の女性は認知症が進んでいて、亡きご主人のお墓がどこにあるかも忘れてしまっていたんですね。
そうでしたか…。では、写真を持っていっても、ご主人を覚えているかもわからないですよね。
浅井:そうなんです。でも、捨てられないと思って、その女性の入る施設にその写真を持っていたんです。その写真を。
ご主人のこと覚えているといいですね。
浅井:そうしたら!!!なんと、そのアルバムを見せた瞬間に、女性の目が輝きだしたんです。「あぁ!懐かしい!!!」と。女性があまりに元気に、その写真を見はじめて感動しはじめたので、施設の中から拍手が起こったほどです。
それはすごい!
浅井:そして、すごいのはこれからなんですけど、女性が「あ!!思い出した!!」と言って、これまで思い出すことができなかった「ご主人のお墓の場所」を思い出したのです!はっきりと「○○にある○○というお寺です!」と。
えーー!!記憶が蘇ったんですか!!!すごい!!!
浅井:そうなんです!!僕も感動して泣いてしまいました。こういうことってあるんだなって。アルバムは本当に重かったけど(笑)、捨てないで持って行って良かったなって。
そうですか!!本当に持って行って良かったですね!
浅井:そして、その女性はこう言ったんです。「私も主人のお墓に入りたい!」って。彼女は施設でまだご存命ですけど、天国に旅立つことがあった日にはなんとしてもそれを成し遂げてあげたいと思っています。僕の目標の1つです。
そうなんですね。古いアルバムが、忘れていた記憶を呼び起こすって本当にすごいです。女性にとって大切な瞬間が詰まっているアルバムだったんでしょうね。
浅井:そうですね。こういうことはあまりありませんけど、きっと一生忘れられないエピソードになりました。
浅井さんの、人の良さを感じるエピソードですね!司法書士として依頼人の方に寄り添って仕事をしているから起こったことですよね。面倒臭がりの人だったら躊躇なくそのまま処分しちゃうと思いますし。すごい、いい話だなぁ〜!
司法書士として独立してからの変化・大変だったこと
さて、浅井さん、司法書士として独立してから変わったことってありますか?
浅井:独立してから責任感が変化しました。自分の名前を冠した事務所で、万一ミスがあればすべて自分のせいですし、すべての責任を負うという立場になりました。その点で、いつもプレッシャーを感じつつ仕事をしています。司法書士の仕事、とくに書類に関してはちゃんとできて当たり前。ミスがあっては絶対にならないというものですからね。
なるほど。独立して仕事をして問題が起これば自分の責任になりますものね。
それでは、いちばん大変だったことは何ですか?
浅井:毎日いろいろ大変なことが起こるので(笑)、「いちばん」というのはわかりませんが、大変だと思うことは「法律に答えがないもの」について考える時です。登記は誰がやっても同じ結果になるという前提があるので、悩みが少ないのですが、たとえば私がやっている後見業務は、相手の為の最善解を出し続けなければならないので、大変です。いつも頭を悩ませます。
たとえば、被後見人が入るホームなどの施設を選定するとき。後見人である私が施設を選ぶわけですけど、入所してみるとそのスタッフの扱いが酷くて選択が最善ではなかったかもしれないと気づき、後から施設を変更するようなこともありました。もちろん、その施設に一度入所したからこそ、その施設の問題点がわかったのではありますが、余計に費用がかかったりすると申し訳ないなと思います。なんとか事前にそれを把握できる方法はなかったかな、と思ってしまって。
うーん、それは難しいですね。入ってみないことにはわからないでしょうし。だとすると、「お試し入居」みたいなものを認めてもらうとか、1ヶ月以内の解約の場合、一時金を返却してもらう特約をつけるとか、そういう対策が必要になるってことですか?
浅井:そうですね。それもいろいろな可能性がありますし、相手もある問題なので。しっかり調査をして、その上でルールになることは交渉をしていくというスタンスで考えています。
なるほど。さすが法律家ですね。
今後の「まなぶ司法書士事務所」の目標
さて、10年後の浅井さんが、「まなぶ司法書士事務所」が、どうなっていたいか、目標があれば教えてください
浅井:事務所を拡大したいという気持ちはあります。現在まなぶ事務所は私だけで仕事をしていますので。拡大するには利益も必要ですし。
先ほど仕事の全体像を見せていただきましたが、利益を出していこうとするとおそらく、「登記」を中心にすることでしょうね。本人確認には手間がかかるにせよ、事務作業で終わりますし。あとは、仕事をどう獲得するかと。登記なら主に不動産屋と銀行が依頼主ということですから、そこのリレーションをどう作るかがポイントになりそうですね。
浅井:まさにその通りです。利益を出すには登記ですね。そのために、一般的には、人を雇って作業量をこなせるようにする。仕事を取るために営業をかける。不動産屋さんとか銀行さんとコネクションを作る…ただ、僕がやりがいを感じる仕事は人と触れ合う部分の多い後見の仕事とか、民事信託なので、そういう意味ではあまり儲からないですね(笑)。このまま一人で仕事をひたすらすることになるかもしれません。でも、同じような志のある司法書士の方や、司法書士を目指す方が一緒に働きたいと言っていただければ、そういう人と共に事務所を大きくして行く手はあるかもしれません。
なるほど、そういうことを書くと共感する方からメールが来るかもしれませんね。(興味のある方はコンタクトフォームからぜひ!)
浅井:まだその準備が十分にできているとは言えませんが、共感される方とはお仕事したいですね。
なるほど。いいですね。
メッセージ
最後にここまで読んできていただいた方に、メッセージをお願いします。
浅井:ここまでにありましたように、私の司法書士としての特徴は2つあります。「後見」と「信託」の業務もしっかりやっているという点です。
「後見」に関しましては、家族が後見人になると、関係が近すぎるだけにストレスになり疲弊して潰れてしまうことがあります。そうならないには、どうしたらいいか。ベストな選択肢は「後見は司法書士に任せる」だと思っています。私はこの仕事をしていて、強く確信するようになりました。
まなぶ事務所でしたら、「財産管理」と「身上監護」をしっかりいたしますので、家族に認知症の方がいて、その財産管理や法律上の手続きなどで、困りごとがありましたら「後見」という制度を利用されることとお勧めします。
もちろん、弊事務所でなくても結構ですが家族が潰れる前に、成年後見制度は利用すべきだと思っています。特に財産管理は争いを産み、関係者を消耗させるものなので。
「信託」に関しましては、いわゆる「財産の承継」について悩まれている方に、解決策をご提案できると思います。「財産の承継」において民事信託は有効な制度です。ご興味ある方はぜひ、当事務所にご連絡ください。初回の相談は無料です。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
<了>